妊娠へのプロセスと各プロセスで起きる不妊要因
- HOME
- 妊娠へのプロセスと各プロセスで起きる不妊要因
妊娠までの女性の体の中で行われるプロセスは大きく分けると5つのプロセスがあります。
このプロセスの中で何かの問題が起きているので妊娠が難しいのです。
ではどんな問題があるのでしょうか?
皆さんの中には、私はこれだった、これを医師から言われているというものもあるかと思います。
プロセス1 卵巣の中で「卵子の成熟」
卵子は卵胞という袋に入っていて卵巣の中で待機しています。
腦の脳下垂体という場所から卵巣を刺激して卵子を成長させるホルモン「FSH」が分泌され、その刺激を受けた卵胞が成長をしていき、成熟卵になり排卵を待ちます。
排卵は1個しかしません。排卵される卵胞以外は成長せず閉鎖卵胞といい、消滅していきます。
この時期、並行して子宮の中では、卵巣から分泌されるホルモン「エストロゲン」の刺激を受け、子宮内膜が作られていきます。
プロセス1でおきる不妊要因
卵子の成長が悪い、成長しているようでも卵子の質が悪い。
それを起こしてしまうのは・・・
- エネルギー不足、冷え、代謝が悪い。
- 年齢的なものによる卵子の老化。
- 多嚢胞性卵胞症候群・・・卵胞が未成熟なまま育たない。
- 早期閉経体質・・・卵胞の感受性が悪くなり、卵胞が育たない。
プロセス2 排卵
脳下垂体から排卵を命令する「LH」というホルモンが卵巣に向かって分泌され、それを受けて最も良い状態の成熟卵が卵巣の膜を破って排卵されます。
プロセス2でおきる不妊要因
排卵が上手くいかない
- 高プロラクチン血症・・プロラクチンというホルモンが高いと排卵を阻害する。
- 未破裂卵胞(卵胞は育っているが卵巣に残ったまま排卵してない。)
- ドロドロ血で卵巣の膜が硬くなり卵子が割って出てきにくい。
プロセス3 卵子と精子の移動
排卵された卵子は卵管采という卵管の入り口から卵管に入り、入口そばの卵管膨大部で精子が来るのを待ちます。
一方、性交により膣に射精された精子は、「膣→子宮頸管→子宮→卵管」という道筋を通って卵子の待つ卵管膨大部まで泳いで行きます。
プロセス3でおきる不妊要因
それぞれの移動過程で問題があって、卵管膨大部まで精子と卵子が来れないと両者は出会えません。
女性側の問題
- ピックアップ障害(排卵された卵子が卵管に入れてない。)
- クラミジア感染・・・子宮頸管に菌がいることで炎症がおこり、子宮頸管が狭くなったり、子宮頸管が常に酸性になって酸に弱い精子がダメージを受けてしまう。
- 女性の体に精子抗体がある・・・これがあると子宮頸管を通る時に精子の大半はダメージを受けて駄目になる。
- 卵管が狭くなったり、精子が通行しづらくなったり、癒着を起こして卵管を閉塞してしまい、精子が通れない。
男性側の問題
- 精子の運動力が弱い。
- 精子はその時に排卵している側の卵管を選ばないといけないが選ぶ卵管の左右を間違えている。
- 精子の射精経路閉塞があり、射精できない。
プロセス4 受精
卵子と精子は卵管膨大部で出会い、受精します。
プロセス4でおきる不妊要因
精子、卵子の質がここでも関わってきます。
- 精子が卵子の膜を破り、卵子の中に入れない。(精子の先体部分に異常)
- 複数の精子が卵子の中に入ってしまい異常受精になる。(卵子の膜が弱い)
- 受精しても精子、卵子の質が悪いと正常に育たず分割が進まない。
プロセス5 着床
卵子と精子は受精できたら受精卵になり、子宮内に戻ります。
ここまでの間に子宮も血液を集めて子宮内膜という受精卵が着床できる場所を用意しており、そこに着床します。
プロセス5でおきる不妊要因
- 着床するための子宮内膜が薄い、硬い、炎症があると着床しずらく、できても安定しない。
(子宮の血行不良)
(子宮内膜をあつくするエストロゲンホルモンが弱い)
(子宮内膜を維持する黄体ホルモンが弱い) - 受精卵の着床を受け入れる子宮のアンテナの感受性が悪くて受精卵を空振りしてしまう。
- 別の場所に着床してしまう。(子宮外妊娠)
仮に着床でき、妊娠しても卵子、精子の質が悪いと染色体異常を起こして流産してしまうことも。
不育症・・・受精卵を異物とみなしてしまう自己免疫疾患。